NICT入所のきっかけ
NICT研究員だった同じ研究室の先輩がきっかけで博士課程在籍中にNICTへ入所
大学院時代に私が研究テーマにしていたのはネットワークシミュレーションで、セキュリティに直接かかわる研究を行っていたわけではありませんでした。ただ、教授がセキュリティを専門としていて、研究室のなかにはセキュリティ分野の研究も行っている学生もいましたので、私が研究した仕組みを使ってセキュリティの実験を一緒に進めたり、相談に乗ったりすることはありました。また、研究室内の輪読会でセキュリティを扱う論文を読むこともあり、セキュリティは当時から身近にあった分野でした。
NICTの公募に応募するきっかけとなったのは、同じ研究室の先輩がNICTのパーマネント研究員だったことが大きく影響しています。先輩からいろいろと話を聞くうちに、NICTなら働きながら博士号を取ることができることを知って、有期研究技術員としてNICTに入所し、業務をしながら博士課程の研究も進めていました。博士号を取ったときに再度、公募を受けて研究員となり、ダークネット観測を利用したマルウェア感染の検知手法などをテーマに研究開発をおこなっていました。その後、技術的な部分に注力したいということで、パーマネントの研究技術員として受けなおし、現在に至ります。サイバーセキュリティ研究室では、研究員や技術員といった職種の違いはありますが対等な立場で協力・議論しながら研究開発を進めていますので、博士号を取った経験や知識は変わらず業務に活かされています。
仕事内容
インフラチームのリーダーを努めながら、セキュリティ関連部署との橋渡し役も担う
2008年にNICT入所して以来、自身の研究開発に加えて研究のためのインフラ周りをずっと担当しています。現在は、サイバーセキュリティ研究室におけるインフラチームのリーダーであると同時に、情シスやCYNEX、ナショナルサイバーオブザベーションセンターなどセキュリティに関連した3つの部署を兼務していて、インフラ周りに限らず様々な橋渡し役を担っています。インフラチームには現在10名ほどのエンジニアが居て、北陸StarBED技術センターと小金井(本部)に分かれています。NICTでは、独自のコンテナ型データセンターも含めると数百台規模のサーバ群やネットワーク機器を構築・運用していますので、安定した研究開発環境の維持のために色々工夫が必要になっています。私自身も多くの部署を兼務していて各部署とのミーティングでどうしても時間をとられてしまうため、チームでうまく業務を分散できるように心がけています。
今後の目標
モダンな技術を研究の環境にも取り入れ、学び続けられるチームを作る
個人としては、世間で使われているモダンな技術を研究の環境にも積極的に取り入れていくことで、研究者にとってより研究しやすい環境を整備していきたいと思っています。そのために、ソフトウェアでもハードウェアでもクラウドでも良いのですが、自身の専門的な技術・知識を持った上で、新しい知識を貪欲に学び続けられる人がチームの一員になってくれると嬉しいですね。チームとしても、他部署との連携をするうえで、情報技術を使ってお互いの敷居を低くなるようにしていきたいと考えています。