NICT入所のきっかけ
民間企業と国の研究機関というギャップを超えて
前職ではセキュリティ関連の部署にいてトラフィックを可視化するセキュリティシステムの開発を行っていました。はじめは未知の分野でしたが、やっていくうちにのめり込み、少しずつ技術が身についていきました。NICT入所のきっかけは、当時の同僚がNICTとの共同プロジェクトのメンバーだったことでした。民間と独立行政法人(※NICTは2015年に国立研究開発法人に変更)とのギャップにはそれなりの戸惑いもありました。民間企業のエンジニアとしては品質を保証して安定して動くものを作るという点が大事ですが、研究機関では最先端の技術検証が重要で必ずしも品質が優先されるわけではない――そういう点で研究者の方たちとの話がかみ合わなかったこともありましたが、前職が研究開発寄りの企業だったことがワンクッションになって、戸惑いが解消されるまでに時間はかからなかったように思います。
実は、はじめからシステム開発やセキュリティに関心があったというわけではありません。プログラミングは就職してから本格的に学びましたが、私の性格にあっていたのか、没頭して作業をし、それが完成することに喜びを感じ、今に至っています。
仕事内容
研究者と協力しながら、課題解決に必要なシステムを内製で開発
現在は開発チームのなかでNICTERやNIRVANA改、DAEDALUSのシステムを担当しており、研究者と協力しながら課題解決に必要なシステムを内製で開発することが日々の業務となります。研究開発成果の社会展開も積極的に行っており、一部のシステムは民間企業からも販売されています。
また、運用・保守にあたって、インシデントハンドリングを担当している人へのヒヤリングや、NICTが研究開発したシステムを使っている民間企業からのヒヤリングも行います。最近では、NIRVANA改でIPv6の世界を可視化したいという内外からの需要が増え、その対応を行いました。
仕事をするうえで意識しているのは、いかにわかりやすく伝えるか、ということです。認識のずれはどうしても起こるので、そこは図やドキュメントに落として議論することが重要だと思っています。
今後の目標
安定したシステムを開発・維持することが私のミッション
研究者や解析者がよりよい成果を上げることができるように、サイバーセキュリティ研究室一丸となってシステムを開発していくことが、これまでも、そしてこれからも目標となります。
そのために、研究者・解析者と密に連携し、安定したシステムを開発・維持することが私のミッションです。そして、将来的には自分たちの研究成果によって、より社会に貢献していきたいです。