NICT入所のきっかけ
学術貢献を主軸にして新たなチャレンジを。職場の雰囲気の良さを感じたことが決め手
修士課程を卒業して民間の通信事業会社に就職し、セキュリティの研究所に配属されたのがセキュリティ分野に足を踏み入れるきっかけでした。学生時代から研究者になりたいという漠然とした思いがあったものの、就職するまでは自身の適性に合った研究分野がわからずにいました。そんな自分の転機となったのは、就職して2年目の頃に先輩から「面白い研究イベントがあるから行ってみてはどうか」と声をかけていただき、そこでユーザブルセキュリティという研究分野に出会ったことです。それまではセキュリティ研究といえば暗号やネットワークセキュリティなど、システムを中心に扱う研究というイメージを持っていましたが、人間の認識や心理を中心に扱う新興の研究分野があるとそこで初めて知りました。新しい研究分野に触れてワクワクしたのと同時に、この分野の研究者として活躍したいという思いを強くしたことを覚えています。
その後、本格的にユーザブルセキュリティの研究チームを立ち上げて研究開発を進め、30歳になった頃に自身が目標としていた国際会議に採択されるなど、満足のいく学術成果が出始めました。そして、学術貢献を主軸にして新たなチャレンジをしたいと考え、2021年秋にNICTに入所しました。NICT入所の決め手は、井上室長をはじめ、学会で会うNICTの研究者から感じた、職場の雰囲気の良さでした。
